2006年5月


我が家には本当にたくさんのパソコンがありますが、その中でも数少ない「見た目で選んだ」パソコンとして、AppleのColorClassicってパソコンがあります。

純正状態だと、とても21世紀では生き残れないスペックなのですが、幾多の改造とカミさんが昔持っていたPerforma5320のパーツ類が投入され、いまでもそこそこ使えるスペックにはなっています。


主な用途は台所でのレシピ確認とメールチェック。
まあ、よくある使い方です。


そんなColorClassicに不意に訪れた現象。
それは。


電源入れたら毎回1956/8/27。

はい、古くからのMacユーザにはお馴染みの、「ロジックボード電池切れ」です。


この現象は、揮発性メモリのバックアップ用電池が切れたことによって、起動の度に時刻設定等のいくつかの設定が初期化されてしまうというもの。
使用頻度が少なく、かつ、コンセントも抜きっぱなしにしておいたマシンでよく発生します。


とはいえ、我が家のマシンは常時コンセントからの給電がされており、起動頻度もそれほど低いわけではなかったので、単純にバックアップバッテリーが化学的に干上がってしまったんでしょう。
前回の電池交換から軽く7〜8年は経過してますから、まあ、無理からぬ状況かと。

この状態で放っておくと、今でこそ時計がリセットされる程度で済んでますが、完全に電池切れになってしまうと電源すら入らないという状態になってしまいます。
メモリのバックアップ用電池が切れたら電源すら入らなくなるって、なかなかブッ飛び系の仕様ですね... 過去には実際に故障と間違われて、本当は電池交換だけで済んだものをマザーボード交換措置されたがために超高額の修理代を請求されてしまった!なんて事もありました。

そのときはAppleが取りすぎた修理代を返金することで一件落着し、同時に「バックアップ用電池が切れると起動しなくなるんだ!」ということを知らしめることができたので、結果的には良かったのではないか?とも思えます。


話がそれました。
電池切れです。
交換しましょう。


ですが、普通に交換したんじゃ面白くないよね?


これがそのロジックボード。
Performa5320のもので、"CordyCeps" と呼ばれる種類の物です。
基本的にはレガシーなLCアーキテクチャをベースとし、そこにPowerPC603eを装着したロジックボードです。


で、問題の電池がこれ。

なんか、見ただけでも特殊っぽいでしょ。そして入手に困りそうでしょ?そして結果として高そうでしょ??
そしてそして、この俺がそんな物まともに買うわけなさそうでしょ???


電池の種類は RAYOVAC 841 ってもの。スペック的には、

  • 電圧4.5V
  • 公称容量650mAh
  • ロゴ面を正面にして、幅30mm,高さ18mm,奥行き24mmのサイズ
  • アルカリ電池

という代物で、ロジックボードには、なんと「マジックテープ」で装着されています。

もともとは RAYOVAC 840ってものが載ってたのですが、過去に1度電池交換をした時点で既に840がディスコンになっており、後継品の841へ交換した経緯があります。
なお840と841の違いはパッケージサイズ(841がちょっとだけ背が低い)と容量(840は確か800mAh)です。コネクタのピンアサインは当然同じ。


ちなみにこの電池、Mac専門店ではまだ入手できるようですが、およそ2000〜4000円近くします。ひぃぃぃぃぃ〜〜〜〜。


健康診断。

1.2Vしかありません。
はい、交換決定。お疲れ様でした。


因みにこの電池、外装のプラスチックケースがツメで留まっているだけなので、簡単に分解できます。

中身はこんな感じ。


電池コアの部分。
1.5Vの層が3つ直列に並んでおり、ここで4.5Vを作り出しています。

余談ですが、四角い9V電池(006P)も、分解するとこいつと同様に1.5Vの層を6つ重ねた作りになっており、1.5vの6段直列接続で9Vを作り出しています。



で、これを買わずして同様の機能を持たせようとすると、問題となるのはサイズと電圧と耐久性。
4.5Vなんで、1.5Vのボタン電池を3つ直列繋ぎにしても良いのですが、いまいち容量不足という点での耐久性に欠けます。では単5を3本でどうよ?となると、容量的には問題なさそうですが、今度は液漏れ問題が発生してしまいます。

そうなると、3Vコイン型リチウム電池を2個直列に繋ぎ、6Vから4.5Vへ電圧を降圧させて使うのが良さそうです。
ですが、コイン型リチウム電池を使用した場合、電池容量の面で若干の不安が残るというところと、あと、リード線付きの電池を使用した場合には電池交換が基本的にハンダごて使用による交換方法になってしまうので、もし電池交換を行うとなると、後々面倒だなという問題点が残ります。

結果として、3Vのシリンダ型リチウム電池を、電池ケースに入れて2本使用するのが良いのではないかとの結論に達しました。これなら容量の問題も交換の手間の問題も両方とも解決できます。


その際、入手困難な電池だと意味がないので、普通に電気屋で買える物を使うことにします。
サイズ的にはカメラなどに使われるCR2が小さくて良さそうだったので、これを使用することにしました。


用意した物。
カメラ用3Vリチウム電池 CR2の2本セット。499円。
CR2の電池ケース。1個100円×2個で200円。
降圧に使う整流用ダイオード 10E1 × 3本で60円。


6V → 4.5Vへの降圧は、ダイオードの順方向電圧低下を利用します。


順方向電圧低下って何かについて簡単に説明すると、「ダイオードを通過すると電圧が約0.6V下がる」という現象です。
上の写真で言うと、ダイオードを噛まさない直結の時点では15Vだったもの(左の写真)が、間に1本ダイオードを噛ますと14.59Vになっています(右の写真)

低下する電圧が何ボルトかは、一般的には0.6Vと言われていますが、周辺の温度や流す電流量、そして実際に使うダイオードの種類によりバラツキがあるので、実際に適用するには現物合わせで調整しながらやっていったほうが良いでしょう。上の実験例で0.4V程度しか落ちていないのは、負荷が非常に小さい(テスターの電圧測定モード)ため、流れる電流量が少なかったためだと思われます。一般的に、流す電流量が多くなればなるほど電圧低下量が大きくなり、また、周囲の温度が高くなればなるほど低下量が大きくなるようです(約2.5mV/℃)。


今回の場合、6V→4.5Vへの降圧なので、ダイオード1本あたりの電圧低下を0.5Vと見積もって、ダイオードを3本直列に接続することで1.5Vの電圧低下を狙っています。

回路図を起こすと、こんな感じ。

今回の実験で、1本あたりの電圧低下が約0.4Vと言うことが判明してしまいましたが、0.4×3本=1.2Vなので、まあ誤差の範囲内かなと。
早速組み立ててみましょー



小さなユニバーサル基板を適当な大きさにカットし、その上に電池ケースとダイオードを乗っけていきます。


ダイオードが2本載ったので、この時点で約1Vの電圧降下が期待できますね。早速計測してみましょう...

あれ?なんか電圧が高い。ってか6V超えてるし...


そこでダイオードを噛まさないで、直接電池の電圧を測ってみますと...


1本あたり3.67V。2本では7.35Vもあります。
おいおいおいおいおい。お前3Vじゃないのかよー。やる気出し過ぎだよーー(笑)


しょうがないので、手持ちの整流用ダイオードをさらに追加投入し、無理矢理4.5〜5Vの範囲に収めることにしました。

ううっ、かっこわる.....こんなことならツェナーダイオード使えば良かったかなあ...


結局最終的にはダイオードを5本直列に繋ぎ、1mA負荷状態で4.8V近辺まで落とし込むことにしました(解放電圧は約5.2V)
想像するに、メモリ等のTTL/CMOSデバイス用に5V電圧を供給させてあげたいがための4.5Vバッテリーなんじゃないかと思われるので、それなら別に厳密な4.5Vに拘らなくてもいいじゃん、っていうか5V前後でも構わないじゃんということで、この電圧でFIXにしちゃいます。


基板裏面は配線がむき出しになっているので、その保護と、ロジックボードへの固定のための土台作りを兼ねて、ホットボンドをすこし多めに盛っておきます。


ロジックボードへの固定は、このホットボンド部分に強力両面テープを貼って、ロジックボードに貼り付けて固定しちゃいましょう。


搭載した様子。


横から見た図。
純正電池よりも少しサイズが大きいので、そのはみ出た部分はメモリチップ上に乗っけてしまいました。
基板向かって左側の裏面に両面テープを貼り、ロジックボードに固定しています。
両面テープの土台部分はもう少しホットボンドを盛って高さを稼いでおいた方が良かったですね。



今回は、電池の容量と、後々電池交換をする際のことを考えてCR2を電池ボックスに入れる形にしましたが、実際に消費電流を計ってみると、容量についてはボタン型電池でも全然イケそうな感じです。実際の消費電流を計ってみましたが、マイクロアンペアのオーダーでした。
ちなみにCR2032の公称容量は220mAhで、CR2の公称容量は1800mAh(笑) すげええ。なんと純正比で3倍!20年ぐらい持つんじゃないのかコレ(笑)

ので、もし次に同様のことをするとすれば、CR2ではなくてCR2032等のボタン型3Vリチウム電池を使い、さらに電池ケースは縦型のものを使って2個並べて置き、もう少しコンパクトなサイズにして、元の位置にスッポリ収めるようにすると思います。

あるいは、このロジックボード自体の製品寿命を鑑み、電池交換型ではなくてリード線付きの基板実装型リチウム電池を使用し、電池交換については考えない設計にしちゃっても良かったかも知れません。


CR2032縦置き用電池ホルダー。こういうのを使えばOK。
秋月で100円。電池自体も秋月で100円で買えます。
なお、ColorClassicで使う場合は高さに気を付けて。あんまり背の高いパーツを使うと天井につかえてしまいます。



追記:2006/05/22


っていうか、こっからが本題かもしれません。


あの後別件で秋月に行ったところ、CR2032のタブ付きが1個50円で絶賛発売中であり、見た瞬間2個確保してしまいました。

いや、まさか作った翌日にRevision2を作ることになろうとは。


念のため解放電圧を測定してみると、3.57〜3.58ボルト近辺をうろうろ。
3Vリチウム電池はこのぐらいの電圧なのか。3Vってのはある程度の負荷をかけたときの電圧なのかな?(よくわかってない)


また、ロジックボードのバッテリー端子とのコネクタは、CD-ROMとサウンドカードとを接続するオーディオケーブルの、こっち側のコネクタがジャストフィットであることが判明。
たまたま家にケーブル切れで破棄直前のものが取ってあったので、今回はこいつを使います。


前回同様ユニバーサル基板を小さくカットして使用します。
カットしたい位置にカッターで切れ目を入れ、後は万力で挟んでペキっと折れば綺麗にカットできます。


もともとバッテリーが装着されていた位置に綺麗に納めるべく、電池は縦置きにすることにしました。こうすることでスペースを節約できます。
プラス側リードは真っ直ぐに伸ばして基板に突き刺し、マイナス側リードは細いリード線で基板まで延長してあげます。横置きタイプの基板実装型リチウム電池を縦置きに転用する際の常套手段です。


前回同様、ダイオードを直列に接続して電圧降下させます。
今回は手持ちの関係上スイッチングダイオード(1S1588)を使いました。
まあ、流れてもせいぜい数mAなのでこれでもいいでしょう。


純正電池との比較。
基板サイズは純正電池と同サイズに合わせたので問題なし。
高さがちょいと高いですが、比較対象となるRAYOVAC 841は出荷時に装着されていたRAYOVAC 840よりも背が低いので、その分をさっ引けば丁度良いサイズって感じでしょうかね?


ロジックボードと接続するための電源コネクタを装着します。

コネクタ両端のプラスとマイナスしか使わないので、シールド部分の結線(向かって左から2つめの黒いヤツ)は不要なんですが、ケーブルを裂くのも面倒だったのでそのままにしてあります。
切り取ったシールド部分の端っこが悪さをしないように、熱収縮チューブで末端処理をしてみました。
赤色ケーブルがマイナスで、白色ケーブルがプラスと、電気界の常識に反する配色になっていますが、ロジックボード側のピン位置に合わせる方を優先しました。
(ロジックボード側では、左から1番目・2番目・4番目の位置にピンが立ってます。そのうち使われるのは両端の2本のみ。左から2番目は未接続っぽく、恐らく逆接防止用の目印ピンかと思われるので、その意をくみ、あえてこのような結線にしています)


基板裏側は、例によってホットボンドで両面テープの土台作りを兼ねたショート防止加工をします。
多少多めに盛っておき、出っ張った部分はカッターで切り落として、ロジックボードに貼り付けた際に斜めにならないようにしよう。


装着したところ。
いやあ、無理なく綺麗にスッキリ収まってていいですな。


装着部分アップ。
コネクタケーブルはもっと短くても良かったなあ。
あと、シールド部分をそのままにしたので、ケーブルが硬くてちょっと取り回し辛い(笑)
やっぱケーブル裂いて赤と白の2本だけ使えば良かったかなー


真上から見た図。
綺麗に収まってます。



その後動作確認をしてみましたが、物理的装着、及び、動作面でも問題なし!
ロジックボードに接続した状態で端子間の電圧を測ってみましたが、4.8v近辺の値を表示していました。良きかな良きかな。



さて...昨日作ったCR2 x 2本のバッテリーキットどうしようかな...
要らぬ散財をしてしまった。


しかし、前々から思ってはいたんだが、何故か俺は千石と相性が悪い。思いつきでパーツを買うと、高い確率でボツになる気がする。
もちろんこれは千石電商様が悪いわけではなく、行き当たりばったりでパーツを揃える俺が悪いんだが。

その点何故か秋月とは相性がいい。
特に使う予定もなく衝動買いした物でも、何のかんので便利に活用されていたりする。
小坊や中坊の頃からの長いおつき合いだからなのかな?(って20年かよ!自分で書いてビビった。オッサンじゃん俺。)



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