2003年12月


年末。


そう、それは年に一度、我が家のカラープリンタが大活躍する時期。

言わずもがな、年賀状の印刷です。



普段我が家の印刷は、沖電機のMICROLINE 600CLっつう、かれこれ6〜7年前ぐらい前、私がまだ大学生だった頃に買ったモノクロレーザープリンタがほぼ一手に引き受けております。

モノクロですが、レーザープリンタなので印字が超綺麗なのと、スタンバイから印字可能になるまでの速さ、そして普段はカラー印刷なんか使わないということで、長きに渡りメインの印字デバイスとして我が家に君臨しております。


しかし年末は違う。


年賀状といえば、普段お世話になっている人から普段なかなか合えないけどたまには連絡取っておかなくちゃ行けない親戚縁者の皆様方に、カラフルかつシャープな印刷物に裏付けされた己の財力と、ハンドメイド年賀状のよる己のデザインセンスの良さを、これでもかとオフィシャル見せつけることができる年に一度のチャンス。


ここでカスレまくったしょぼい印刷の年賀状なんか送ってしまうと、新しいカラープリンタすら買えない貧乏な奴という烙印を押され、ましてやセブンイレブンで売ってる吊しの年賀状に手書きで字入れただけの年賀状なんか送った日にゃ、デザインセンスすら無いダッセエ奴っていうかハガキ印刷ソフトぐらい買えよという十字架をこの1年間背負って生きて行かねばならないハメになります。


こんなことで年始早々失笑を買うわけにはいかない!喝!



ってえことで、我が家も去年買ったCanon Pixus850iっつうカラープリンタ君に頑張って貰い、自称クールでナイスな年賀状を作成しておる次第でございます(とはいえお年を召された方にも送るのでデザインはちょっと控えめにな!)。


毎年我が家はMacintoshで年賀状の原稿を作成して印字しており、今年も同様に素材集やら今年の旅行の写真やらからネタを引っ張ってきて作成してみました。
去年は何度かMacのフリーズに見舞われ、記憶を頼りに作り直すという悪夢を見ましたが、今年はメインマシンをPowerMacG4(中古)に変えてメモリも1Gほど積んでみたのでそんなこともなく、サクサクと作成完了。よっしゃ印刷だー!.....ん?





黒が出てねえ!





そう、普段モノクロ印刷する際にはレーザープリンタを使っていたせいで、黒インクの部分だけがプリンタヘッドの中で固着してしまい、ヘッドが目詰まりしてしまっていたのです(カラーインク部分が無事だったのは、カラーインクは染料系インク、黒インクは顔料系インクと、種類が違うために固着の度合いが異なったためだと推測されます)。

ヘッドクリーニングをしても駄目、ヘッドフラッシングをしても全然駄目。黒ベタのページをPowerPointで作って印字しても白い紙が出てくるだけ。




なんてこったい...
今年の年賀状は水墨画だったのに。



ヘッド交換=\6000円の出費 が頭をよぎる。
しかし6000円も出せば中古のプリンタが1台買えてしまう。なによりカラー部分は全然普通に使えるのにヘッドまるまる交換は単純に癪に障る。
それ以前にヘッドの店頭在庫なんか無いだろ普通。今から取り寄せてたら年が明けてしまうわい。


むう。どうしよう。

そうだ。どうせ詰まってるんだし、いっちょ洗ってみっか。大掃除の時期だし。



っちゅうことで、ヘッド洗ってみました。


お湯の温度は42度にセット。いい湯加減。



まずは流水(お湯)でヘッドのインク受け口をすすぐ。
最初はインクがドバドバ出てくるが、すぐに洗い流されてきれいになる。



あらかた表面からインクが流れ去ったら、お湯につけてしばらく待つ。
このとき、ヘッド面を傷つけないように注意。



しばらく待つと、おおっ!黒ヘッド部分から中に詰まったインクが流れ出してきているぞ!



ヘッド部のアップ。
固着した黒インクが流れ出してきて、いい感じです。

なお、茶色いフイルム基板の中央にある金色の四角いのがカラーインクのヘッド。右側にある縦長いの(黒インクが出てきている所)が黒インク専用のヘッドです。
黒印刷がバカっ速なのは、単純にヘッドが大きかったからなんですね。




約30分ほど、浸けてはすすぎを繰り返しているうちに、ヘッド部分から黒インクが出てこなくなりました。
これはもしかして期待できるか?

早速水気を切り、プリンタに装着。インクも装着。

2〜3度ほどヘッドクリーニングを行ってインクをヘッドに充填し、テスト印刷を行ってみると...


出た出た出た出たー!
大成功ー!


その辺に落ちてた紙を使ったので紙はクシャクシャだが、印字はバッチリ。
いやー、汚れてたら洗う、これはやっぱり有効なんですなー!




もう年賀状の印刷もあらかた峠を越えた時期ですが、もし数ヶ月ぶりにインクジェットプリンタを使って、ヘッドが目詰まりしていてマイガッ!な状況になってしまった場合は、このように思い切ってヘッドを洗ってみるとうまくいくかもしれませんよ。


ただしこの技が使えるのは、ヘッド部分が分離できるタイプのインクジェットプリンタに限られます。
EPSONの場合はヘッドが固定されているので、どうにかしてヘッド部分やノズル部分を本体から分離してお掃除してみてください。
その際、ヘッドやノズル部分は完全に水切りをしないように注意。EPSONプリンタのインクノズルは、空気が入ってしまうとインクがうまく送られなくなってしまうそうです。


なお、HP社のプリンタの場合はインクカートリッジにヘッドが付いてるので、どうも印刷の調子が悪いなという場合にはインクカートリッジを変えれば即座に新品の印字性能が復活します。時間がある場合はヘッド部分を洗ってもいいですが、時間がない場合は素直にカートリッジ交換した方が安全かつ確実です。



今年はとんだものまで大掃除してしまいました。
おかげで部屋は未だ魔巣のままです。

それでは皆様良いお年を。



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