さて、今回はハードウェアの話。 とは言っても拡張カードやハードディスクのように軟弱なものではなく、バリバリのハンダゴテ系、しかも一歩間違えば爆発炎上系です。硬派です。初心者お断りです。
この中古ってのもまた非常に怪しい中古(箱付き+保証書白紙+起動した形跡皆無+もちろん開封形跡一切無しのモロ金融品)だったんですが、だからといって電池が死んでる理由にはなりません。 まあ、普段はACアダプターに繋げてずっと家で使うわけだし、持ち歩くわけじゃないからいいかなとそのまま放置していたんですが、俺が無線LANを興味本位でやりたくなってしまいまして、導入する後押し的にノートパソコン常用者の嫁をそそのかせば大手を振ってあわよくばPCカード代嫁持ちで導入できるべかなと思い立ってしまいました。
そのためには、あの忌々しい電池をなんとかせねばなるまい!
嫁をそそのかして早速分解です。
バッテリーパックは、中に入っているリチウムイオン電池の性質上うかつに開けてイタズラされちゃ困るんで、いわゆるハメ殺しというか、閉めたら開けられないように電池パックが接着剤でがっちり接着されています。 リチウムがどんだけヤバいかというと、イオン化傾向がカリウム、カルシウム、ナトリウムよりも上。高校で化学取ってた人は「貸そうかなまぁ当てにするなひどすぎる借金」とかで覚えたあのイオン化系列、あのトップにあるカリウムよりも上です(標準単極電位がカリウムは -2.93 リチウムは -3.04)。 因みに単体ナトリウムの棒をダムに放り投げると爆音とともに豪快な水柱が上がります(やったのかよ)。 で、リチウムとは実はそんなヤバい代物なので、それを納めるバッテリーパックのガワもうっかり開いてしまわないように頑丈に閉まっているのです。まともにやっても開かないものは、しょうがないので破壊。カッターで結合部分にシャーっと薄く切れ目を入れて、あとは雑巾絞りの要領でバッテリーパックをひねる。すると結合部分がパキパキ割れて、綺麗に開くという寸法でした。
ところが切れ目はできてもなかなか開かない。
ご丁寧にも電池のセルが蓋に強力両面テープで接着されてるんですね。
中に入っているのはUS18650GRという3.7V1600mAhのやつが3本。
後者ふたつならお手上げです。ヒューズ飛んでるのを交換するぐらいしか手はありませんが、さっと調べたところだと充電基板のヒューズは正常。また、このバラック状態でVAIOに挿して充電させてみたところ、電池の両端には何かしらの電圧は来ているっぽい。 じゃあ電池か? 試しにセル単体での電圧を測ってみると
なんと0.28V。長期間充電されなかったことを考えても、ちょっとアレな数値です。
早速この手のパーツが豊富なネットショップ「現品com」へ直行。自宅に居ながらにして秋葉原ジャンク屋巡りが楽しめる素晴らしいサイトですので同じ香りを感じる人は速攻ブックマークすれ(目が痛くなるページ配色はご愛敬)。
すると、あったあった!。18650を3セル使用とモロに書かれているCompaq用のリチウムイオンバッテリーパック未使用新品が1780円。売る方も何に使うか分かってるんでしょうね。早速注文です。
キズひとつない新品です。
力業で開けた後気付いたんですが、VAIOのやつとは違ってハメ殺しではなく、再利用できるように(かな?)ツメで止まっているだけでした。ちょっと感心。
3.7Vの1.24Vですから、まあ大丈夫かなという範囲です。
上にも書きましたが、電池への喝入れとして1Ω程度のコンクリート抵抗を介して、ちゃんとした安定化電源から1〜2A程度の電流を数秒間与えてみます(古より伝わるニッカド電池が死んでしまった時の蘇生方法)。
結果、2.35Vまで復活。大丈夫っぽい。
ご丁寧にもセルごとにタブが付いてて、リード線がハンダ付けされているので、そのまま元の電池を充電基板から引っぺがしてリード線をハンダ付けすればいいです。楽勝。
組み込み作業自体は10分ほどで完了。
ドキドキしながらVAIOに装着していざ充電開始! すっからかん状態からのフル充電なので通常より時間がかかると踏み、フロに入って食器を洗ってタバコ吸ってメール読んで...等で2時間ほど放置。 さて、どうかな...?
オッケイ完璧!
ただし、リチウムイオン電池は上にも書いたとおり、そのもの自体が非常にシビアな物体なうえに、充放電の制御がニッカド電池と比べてかなり緻密ですので、全く同一のセルが入手できた以外の場合は、最悪、爆発炎上のリスク覚悟の上で望んでくださいね。 充電池のタブを15W程度のハンダゴテでチンタラとハンダ付けするような素人は手を出さないほうが身のためです。
リチウムイオン電池は浅い充放電を繰り返すと劣化が進むようです。 皆さんも家でずーっとアダプターに挿しっぱなしで使ってるノートパソコン、週に1度程度は電池駆動させてあげましょう。
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